左 ウエッジウッド ハンティング シーン プレート 18cm
右 コールポート ハンティングシーン プレート 20cm
マグカップを持っているので、お茶の時間用に買いました。
現行製品のウエッジウッド18センチはデパートで。
オールドのコールポートはネットです。
<公式より>
英国の田舎の風景の中で獲物を追いかける狩人と猟犬を描いた楽しいパターンの「ハンティング シーン」は、一人の少女のクレヨン画からヒントを得てデザインされたものです。少女が、自宅の敷地前を横切って行った狩の一団を、見たままに、たくさんの人物などを紙上に描きとろうと、サークル状にスケッチをしていたのです。思わず微笑んでしまう、遊び心溢れるパターンです。
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ハンティングシーンのデザインがいかに優れていて素晴らしいか。ということについては
昔、暑苦しく語ったことがあるのですが、前のブログだったので、再度語ってみたいと思います。
私はこのデザインについては、描いた人、製品化した人、引き継いだ人、まだ作りづけてている人々全てに、尊敬の念を抱いています。
大げさに言いますけど本気です。それぐらい、すばらしい唯一無二のデザインだと
思っています。もはや畏敬の念に近いです。
ちなみにこのデザイン、ウエッジウッドのデザインの中では異色だと思います。
そもそもハンティングシーンは、Crown Staffordshire→コールポート→Wedgwoodと受け継がれているデザインです。どこのブランドにおいてもこの柄は浮いています。そして、これは食器のデザインとしても異質です。けれどもほぼ正確にこのデザインを継承していまだに作ってくれています。
これが我が家が所持していた、コールポートの、デミタスです。(amazonから画像お借りしました)
大きさといい、図柄の入り方といい、めちゃくちゃかわいかったです。
地震で全部割れてしまったんで残念なかぎり。
ジャパニーズお茶のみもいいけど、一番クールなのはデミタス!
前述の公式サイトが言う通り、少女のサークル型に描いたスケッチをそのまま使った。というエピソードを鵜呑みにするかどうかはともかくとして。
キツネ←←犬達←←馬に乗った人々を途切れない直線でデザインすることによって、狩の世界観を包括的に表現しているところが、このハンティングシーンというデザインの肝だと思うのです。
まず、向きを統一することで、「方向」が生まれます。これによって、狩の動きや、流れ、ルールを表現しています。
馬に乗った人→→猟犬→→キツネという「順番」は追うもの、追われるものの力関係を示します。
「折れない線」は、推力、スピードのようなある程度早さのある流れや時間の表現として有効です。
これらの要素を矛盾しないように、完璧にプロダクトに落としこんだのが、このハンティングシーンというデザインのすばらしさだと、私は思っています。これはまして、絵画ではありません、食器のデザインとして、「時」が表現されているなんてすごくないですか?
私たちはこのお皿やカップを見たときに、まず全体を俯瞰して眺めます。
馬にのった人々(あるいはキツネ)の方向から順番に視線を移動させて、
狩の時間の流れを追います。そして、最後にまた全体を眺めます。
静的な視点から、絵柄を追うことによる動的な感覚・インスピレーションを感じ、→→再び俯瞰へ回帰することは、少女が狩を眺め、そして絵にした感覚(今見たものを整理し平面に表現する類の感覚)と同じであり、追体験に近いものです。・・・・ちょっと言いすぎでしょうか。
しかし、この動→静の視点の揺らぎは、無意識に相反する感覚を呼び起こします。
違和感や、ちょっとしたひっかりといっていいかもしれません。
このデザインが優れているのは「微笑ましいから」ということではなく、誰でも一度くらいは感じたことのある、感覚を、奥底に呼び覚ますからだと思います。
そもそも一匹のキツネを円の中心に向かって追い詰める図柄が微笑ましいのか?という気がするんですけど。。。
・・・・というようなことをこの皿を見ていると延々と妄想にまみれながら考えていられるという不思議なものです。ちなみに、狩は見たこともありません。
「このシリーズ、ほんっとにいいですよね~」
店員さんがこの皿を包装するときに、社交辞令ともつかない感じで言いました。
「・・・ねえ・・・・。ほんっといいですよね~・・・・」私も同意。
嗚呼、私は本当はあなたにこの妄想を長々と語りたい。今ここで、ほんとにイイ。しか言えないのがもどかしい!
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